見落し矢印、横の枝道を辿って行くとドワーフの家

滑り台と違うところは、角度が急なのにゆっくりもすべれるところでした。そうじゃなかったら墜落してしまいますからね。
「蟻の巣の中もこんなかしら」と綿帽子。
「蟻は歩いて降りるんじゃないかな」とサルビアブルー
たまに細かいひげ根が内側に生えています。パリンと折って食べてみると、ほんのり甘くてすうっと溶けます。綿菓子の一本みたいに。
「これはたくさん摘んで束にして食べるものね」
「花束みたいにリボンをかけてパリパリ食べたら可愛いね」

鼓膜が受けた振動が音、体が受けた振動が揺れ

幽霊のように向うの透けて見える人は何か音を出しました。綿帽子の聞いたこともない音です。
「え?」と綿帽子は思いました。文字にも音符にも置き換えられないし、かといって色や形でもありません。と思って気づきましたが、耳で聞こえているのかもよくわからない感じでした。
「なんだか背中からも響くみたい。そう響く、体に振動を受けているのよ」
トランポリンの布は、こんな感じがしているかもしれません。

皆疑問が同じと見えて

その人は自分の体を突き刺すように指差し、そしてもう一方の手で綿帽子の体を示しました。見ると綿帽子の体も、幽霊のように透き通っていました。
「どうして?」と綿帽子がびっくりする間もなく、その人は目を手で覆って、もう片方の手で下を指差しました。ガラス質のずっと遠くでマグマが燃え輝いています。その明るさのせいで、透けてしまうようでした。

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