列車旅行ステーション
「惑星でなくなったこととそのホテルは関係あるの」と手袋屋が聞きます。「お客が押しかけててんてこ舞いで、惑っていられないんです。男性客がポケットのボタンに差す花は、萎れたら他の種類の花に換える伝統なので、花売り娘もいっぱいです。ですから」とスカイブルーが返事をしました。
「なら銀河鉄道のプラットフォームもできてるかしら」と姉さま。姉さまのどこも見ていないような焦点のずれた目は、あのロシア帽をかぶってマフをした女の人にそっくりでした。あんなに切れ長では、ありませんが。
「機械の体が欲しい人には用のないところだろうしなぁ」と手袋屋がいいます。
「カムパネルラは違いますよ」
「スリーナインのはなくてしるしのない方のはあるのね」
14分間タイムトラベル
「靴を裏返しに履けばすぐさ」と水色はいいます。「靴を裏返すなんてできっこないわ」と綿帽子は当然思いました。
「柔らかそうな靴じゃないか」
綿帽子が履いていたのはベージュのサッカー生地に赤い小花柄のルームシューズでした。「これって靴?」
「部屋靴? まあ、何でも」