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指南

「どこに連れて行こうって言うの」と綿帽子は喧嘩腰で申しました。
「君の行きたいとこならどこでも」と空色は言いました。
「それは『連れて行く』と言わないわ。『ついて行く』というのよ」
「何とでも」
「私は木星に行くの。あそこはガス惑星で、地面なんかないのよ」
「なら、ハイヒールを履いて歩いても、雲の上を歩くみたいで、足が痛くはならないよ」
「ハイヒールは、あなたのでしょう」
「僕のじゃない。君が履いてないのも知ってる。そのストラップつきの丸い靴は可愛いね」

生け捕り

「行くなら博物館の狩人に気をつけてね」と姉さまが言います。
「博物館?」綿帽子は聞きました。
「30000年で廃止されたんだったかしら。ミュージアムホテルで恒星外生物を展示するのよ。アンティークの調度の絵の中に閉じ込めて。花さえ毎日換えるの」
「それ今、移転したはずです。冥王星に」

松脂で燻(いぶ)して燻(くゆ)らす

「お茶の時間だよ。いつだってお茶の時間になるんだ。お茶が出れば」といいながら手袋屋がティーポットとカップをトレーに乗せて持って来ました。大きなティーポットです。最後濃くなった時用にポットも。
サンドウィッチ、金色の蜂蜜、赤紫のラズベリーのジャム、クロテッドクリームとスコーン、マカロンも並べています。
「どうしてラプサンスーチョンなの」と綿帽子はいいました。「これは好みがわかれるでしょ」
「大丈夫、ぼくは好きだから」と手袋屋が答えましたが、答えになっているとは綿帽子はさっぱり思いませんでした。

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